
焙煎競技会レポート!
私たちが使用している、オランダの焙煎機メーカー「GIESEN(ギーセン)」の焙煎協議会に参加してきました。
全国から集まった約20名の焙煎士とともに、同じ課題豆を使って、それぞれの焙煎技術を競い合う貴重な機会でした。
課題豆はホンジュラス産「パライネマ」で、焙煎度合いは浅煎りで評価を行います。
今回の課題豆は、ホンジュラスの「パライネマ」という品種。
パライネマはホンジュラスで生まれたハイブリッド種で、柑橘系の明るい酸やフローラルな香り、
時にスパイスのようなニュアンスが感じられる、個性豊かなコーヒー豆です。
その豆の魅力(ポテンシャル)を、焙煎でどこまで引き出せるかが評価のポイントでした。

ブラインドカッピングでの評価
協議会では「ブラインドカッピング(誰が焙煎したか分からない状態でコーヒーを飲み比べ、味を評価する方法)」で、
お互いの焙煎豆を評価し合いました。
誰のコーヒーかを伏せることで、先入観なく純粋に味わいだけで評価できます。
自分が焙煎したコーヒーがどのように評価されるのかはもちろん、他の焙煎士のアプローチを知ることで、多くの気づきと学びがありました。
結果は9位と、決して上位とは言えないものの、GIESENを使い始めてまだ半年の自分にとっては、非常に実りの多い経験になりました。
焙煎が違えば、味わいはまったく別物
同じ「パライネマ」の豆を使っていても、焙煎プロファイル(焙煎中の温度変化や時間の組み立て)によって味わいはまったく異なります。
焙煎士ごとに「明るい酸味を活かす」「甘さを引き出す」「クリーンさを重視する」など、狙いが明確にあり、
それが風味にしっかり表れていることに驚きました。
各焙煎士が自分のプロファイルを共有する時間もあり、焙煎に対する考え方や哲学を聞けたことは、大きな刺激となりました。

GIESENユーザー同士の貴重な交流
これまで近く(和歌山)にGIESENユーザーがいなかったので、同じ焙煎機を使っている方々と直接話せたことも大きな収穫でした。
特に印象に残ったのは、GIESEN焙煎機の特徴のひとつである「ドラムの回転数調整
(焙煎中のコーヒー豆を攪拌するドラムの回転スピードを変えることができる機能)」についての話です。
• ドラムの回転数を上げる(高回転)と、より“熱風式”に近い熱の伝わり方になり
• 回転数を下げる(低回転)と、より“直火式”に近い熱の入り方になる
という話はとても興味深く、味づくりの幅を広げるヒントになりました。
今回の協議会参加を通して、パライネマのような個性のある豆の魅力をどう引き出すか、自分の焙煎の立ち位置や課題、
そしてGIESENという焙煎機の可能性についても改めて考えるきっかけとなりました。
今後の焙煎にしっかり反映させていきたいと思います。
