カウンターカルチャーの聖地を歩く|ベニスビーチの記録


サンタバーバラから車で約2時間南下し、ロサンゼルス西部の海沿いに広がるベニスビーチに到着。ベニスはスケートボードやサーフィン、フィットネスカルチャーなど、アメリカのカウンターカルチャーが凝縮された場所です。近年は観光地としても知られていますが、その背景には長い歴史と熱量のあるローカルコミュニティが存在します。
スケートボードの原点、ベニススケートパーク



ベニスビーチのランドマークともいえる「Venice Skatepark」。ここは、スケートボードの進化を語るうえで欠かせない場所です。
1970年代に“ドッグタウン”と呼ばれたこのエリアで生まれた伝説のスケートチーム「Z-BOYS(ゼファーチーム)」は、空き家のプールを使った“ボウルスタイル”の滑りを確立し、スケートボードを一気にカルチャーへと押し上げました。
現在のスケートパークには、彼らの流れをくむ若者や観光客、そして地元のキッズたちが集い、自由に滑っています。ベニスの太陽の下で繰り広げられるボウルライディングは、まさに“動くストリートアート”そのものです。
ゴールドジム|筋トレ文化の聖地

ベニスビーチといえば、フィットネスカルチャーの聖地「ゴールドジム」も外せません。かつてアーノルド・シュワルツェネッガーがトレーニングしていたことでも知られ、筋トレマニアから観光客まで世界中から人が訪れる場所です。
屋外に設置された「Muscle Beach」は、まさに“見せる筋肉”の象徴のような空間。ローカルの筋トレ仲間たちが声を掛け合いながらトレーニングする姿は、街の一部として溶け込んでいます。
Mollusk Surf Shop|サーフカルチャーの温もりを感じる場所
ベニスで立ち寄ったサーフショップ「Mollusk Surf Shop」は、クラシックなサーフスタイルとアート、カルチャーが融合したローカルに愛される店です。



ここには、マリブビーチを代表するローカルヒーロー、チャド・マーシャルが店長を務めていた時期もあるお店で、彼のスタイルに共鳴するようなボードやアパレルが並んでいます。
現在、サンタバーバラ、サンフランシスコ、ベニスの3店舗ある中でベニス店は、特に他の観光地のサーフショップとは一線を画し、カルチャーとクラフトマンシップを大切にした落ち着いた空間。店内には地元アーティストの作品も飾られ、サーフィンを生活の一部としている人々の感性を感じることができます。
イン・アンド・アウトでカリフォルニアらしさを味わう

ベニス観光の締めくくりには、やっぱり「In-N-Out Burger(イン・アンド・アウト)」。西海岸でしか味わえないローカルファストフードは、シンプルながらどこか懐かしく、旅の合間にぴったりの存在です。
裏メニューの「アニマルスタイル」や「ダブルダブル」などを注文するのも楽しみのひとつ。シェイク片手にベンチに腰掛けて、海から吹く風にあたりながら食べるハンバーガーは格別です。
ベニスという街の魅力
ベニスは、スケート、サーフ、筋トレ、アートなど多様なカルチャーが混ざり合い、今もなお独自のエネルギーを放ち続けています。観光地としてだけでなく、暮らしの中にカルチャーが息づくこの街の姿勢に、訪れるたびに刺激と発見をもらっています。
次回は、少し南下したコスタメサのコーヒーとサーフカルチャーについてご紹介します。
この記事で紹介したキーワード・場所
- ベニスビーチ スケートパーク
- Z‑BOYS/ドッグタウン
- ゴールドジム
- Mollusk Surf Shop ベニス
- マーシャル兄弟 (チャド&グレッグ)
- In‑N‑Out
- カウンターカルチャー 西海岸