カリフォルニアトリップ②

マリブからPCHを北上して|ベンチュラ〜サンタバーバラへ

マリブの海を後にして、パシフィック・コースト・ハイウェイ(PCH)を北へ。
このルートは、ただの移動ではなく“心に残る体験”の連続でした。

特にこの日は、9.11の追悼期間中だったこともあり、沿道には無数の星条旗が掲げられていました。そのひとつひとつが、誰かの祈りや敬意の表れのように見えて、車を走らせながら自然と背筋が伸びたのを覚えています。


ベンチュラの海と、パタゴニア本社で感じた“暮らしの思想”

ベンチュラでまず立ち寄ったのは、パタゴニア本社。ここは単なるアウトドアブランドの拠点ではなく、地域に深く根ざしたカルチャーの中心地でもあります。店舗の敷地内に幼稚園があり、子供たちがいきいきしていたのが印象的でした。

敷地の造りや自然との距離感、働く人たちの表情までもが、
「自分たちの信じる暮らしを大切にしている」ことを物語っていました.

そしてお店の裏がすぐ海なので、好きなタイミングでサーフィンできる素晴らしい環境!サステナブルという言葉が今ほど浸透していなかった頃から、ローカルに根ざした活動を続けてきたこのブランドには、一種の“聖地感”がありました。

ちょうどタイミングが良かったので僕もベンチュラのメインポイントで軽く1Rして次の目的地へ!


リッチ・パベルのサーフボードファクトリーに立ち寄る

ベンチュラの海沿いから少し町に向かった場所にクラフトマンシップが詰まった「Rich Pavel」のシェイプファクトリーがあり、少し訪問されてもらうことに。世界中に発送するボードを梱包する直前で素敵なボードがズラリ鎮座していました。

パベル氏のボードは、流れるようなラインと繊細なデザインで知られていますが、
実際の工房を訪れると、その“アートの裏側”にある職人の静かな集中が伝わってきます。

工房の匂い、道具の並び、削りかけの大量のブランクス。
本人からにじみ出るやさしさと”ザ職人”といった貫禄、長年向き合ってきた人生そのものがありました。とても貴重な体験させてもらい、ベンチュラの中心地であるセカンドハンドストリートへ移動しました。


ベンチュラのセカンドハンドストリートを歩く

ベンチュラの中心部には、古着やレコード、アートブックなど、
カルチャーが色濃く残るセカンドハンドショップが並ぶストリートがあります。

ショップのひとつひとつに、それぞれの「ストーリー」が詰まっていて、オーナーの世界観が滲み出ていました。古いものを大切にする国民性を強く感じました。

何気なく手に取った一冊の本や、古いスウェットから、その街の空気を感じ取ることができる——そんな体験も旅の醍醐味です。

魅力的なお店が多いので時間がいくらあっても足りません…..


サンタバーバラで出会った coffee roaster,cafe

ベンチュラからさらに北へ進むと、サンタバーバラの街並みが見えてきます。
その中で立ち寄ったのが、ローカルロースタリーの名店「Dune Coffee Roasters」。

このロースタリーは、デザインもスタイリッシュですが、何より豆のセレクトと焙煎のクオリティが抜群。
お店全体から「誠実にコーヒーと向き合っている」空気が伝わってきました。

スタッフと話す中で印象的だったのは、
「一杯で誰かの一日を変えることがある。だから僕らは真剣にコーヒーと向き合う」という言葉。

ショップの裏に焙煎所があり、GIESEN焙煎機でコーヒー豆が焙煎され街中コーヒーのいい香りに包まれていました。

もう一軒立ち寄ったのが「Break first club」です。かつてサンタバーバラに存在した「Breakfast Club」という小さなカフェ。
ローカルの人々に愛されていた定番スポットです。平日朝早くから満席でした。

シンプルなトーストとコーヒー、スタッフの笑顔、ゆるやかな音楽。そして、店内に飾られたアートはすべて売り物で地元の絵描きさんだとか。今思えば一枚だけでも買っておけばと思います。先ほどのパベルさんの板も並んでます!特別なことはないけれど、なんとも言えない「心地よさ」がありました。

残念ながら今は閉店してしまいましたが、
このお店で味わった“朝の時間”の感覚は、MILESTONE COFFEEの原点のひとつです。

このマリブからサンタバーバラまでの旅は、
派手な観光地を巡ったわけでもなく、高価なものを買ったわけでもありません。

でも、記憶に残っているのは、風の音、店の匂い、人の笑顔、会話のトーン
そういう“温度感”があるものばかりでした。

次回は南下していくエピソードを書きたいと思います。


この記事で登場した場所・ブランド

  • パタゴニア本社(ベンチュラ)
  • Dune Coffee(サンタバーバラ)
  • リッチパベルのサーフボード工房
  • Breakfast Club(現在は閉店)
  • ベンチュラのセカンドハンドストリート
  • マリブ〜サンタバーバラ間のPCH沿いの風景

上部へスクロール